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就業規則の周知2023年11月29日
- 従業員から就業規則を見たことがないと言われました。周知していない場合はどうなるのでしょうか?
- 常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、過半数組合または労働者の過半数代表者からの意見書を添付した上で、所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません。
変更する場合においても同様の流れとなります。
労働者からの同意を得られず意見書に反対意見のみ記載されていた場合も、就業規則の届け出の効力には影響しません。 常時10人以上とは原則事業場単位で考えた時に(場所的に独立した営業所や支店等)雇用されている社員、パート、アルバイト、派遣労働者を含めた労働者が常態で10人以上いることを指します。雇用形態や勤務時間は関係ありません。
期間の定めがある労働者を雇用したことで一時的に10人以上となっている場合等は該当しませんが、そうした事業場であっても任意に就業規則を作成することは可能ですので、労働条件の明確化や労使トラブルの防止等のため就業規則を作成することが望ましいです。
さて、作成もしくは変更した就業規則は届け出ただけでは不十分であり、使用者が労働者に就業規則の内容を周知する義務があります。つまり一部の労働者への周知しか行わなかったり、口頭での説明のみ行った場合は周知したことにはなりません。
▼就業規則の周知の方法は、
・常時各作業場の見やすい場所へ掲示する、又は備え付ける
・書面で労働者に交付する
・磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置する
といった具体的な方法が示されていますが、周知は労働者が見たいと思った時に見られる状況にしておくことがポイントです。 他の方法であっても就業規則の内容が実質的に周知されていれば足りるものとされています。 なお派遣労働者に対しては派遣元の就業規則が適用されるため、派遣元の使用者が就業規則の周知義務を負います。
また、周知のない就業規則はその効力が無効となります。 作成当時の就業規則は周知されているが、変更後の就業規則が周知されていないという場合には変更後の就業規則が無効になる可能性があります。 作成、変更時ともに周知を怠った場合は所轄労働基準監督から指導・是正勧告を受ける可能性があるだけでなく、悪質な場合は30万円以下の罰金を科されることもありますのでご注意ください