最低賃金のチェック方法
Q:最低賃金額以上となっているかのチェック方法を教えてください。
【事例】当社は1か月平均所定労働時間を173時間45分と定めています。給与体系は基本給と従業員により諸手当を支給しています。最低賃金額以上となっているかのチェックをしたいのですが、総支給額と比較して問題はありませんか？
A：問題ありです。総支給額から除く手当があります。
～最低賃金の決定について～
最低賃金は、賃金の実態調査結果など各種統計資料を十分に参考にしながら審議を行い決定されています。地域別最低賃金については、①労働者の生計費 ②労働者の賃金 ③通常の事業の賃金支払い能力 を総合的に勘案して定めるものとされています。また、「①労働者の生計費」については、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮することとされています。
～最低賃金のチェック方法 ①時給制の場合～
地域別最低賃金については、時間額で定められています。したがって、時給制の場合は、単純に時給額と比較することになります。
時間給≧地域別最低賃金額（時間額）
～最低賃金のチェック方法 ②日給制の場合～
日給÷1日の所定労働時間≧地域別最低賃金額（時間額）
～最低賃金のチェック方法 ③月給制の場合～
月給÷1カ月平均所定労働時間≧地域別最低賃金額（時間額）
※次の賃金は除きます。
①臨時に支払われる賃金
②1カ月を超える期間ごとに支払われる賃金
③所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金（時間外割増賃金、固定残業代など）
④所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金（休日割増賃金など）
⑤午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分（深夜割増賃金など）
⑥精皆勤手当、通勤手当および家族手当
～月給制の場合の例～
ご質問の場合で例をあげて計算してみましょう。
基本給 150,000円
能力給 30,000円
皆勤手当 10,000円
通勤手当 10,000円
総支給額200,000円
200,000円 -（皆勤手当10,000円 + 通勤手当 10,000円 ） ÷ 173時間45分 ＝ 1,036円（50銭以上切り上げ）
したがって時間給は1,036円となります。この額と地域別最低賃金額を比較してそれ以上となっていれば問題なしです。